量を追えば自ずと質は落ちる それでも儲かればいい?

この街で仕事をしていれば 通勤時に高嶺の花的なお店の前を通ることになります。

なのでウインドウを日々 眺められる。

特に 人もまばらな帰宅時 すなわち明け方は。

 

店長の気まぐれで…なんてことは決してなく 本部のきっちりとした戦略を基に選ばれしものがディスプレイされいるんだと思います。

それだけに あぁ これは金儲けのためのアイテムだなぁ と勝手に思ったりするものも多く見かけます。

ま ホント勝手にそう思うだけですし あの世界のビジネスの仕組みも分かりません。

ただ 確実に言えることは ファッション性が高いということと売上の高さは比例しない ということ。

 

どんなにオシャレ度が高いものでも売れに売れてみんなが持っていたら それじゃぁオシャレじゃなくなっちゃう。

でも慈善事業をやってるわけじゃないから利益が欲しい。

だから本当にそのブランドを好きな人や上顧客向けのブランドの世界観がバチバチ感じられるものもあれば なんとなく買っちゃう人向けのたくさん作れてなお且つ利幅も大きいアイテムの両方が存在してると 昔からこれまた勝手に思っています。

 

ちっともパッとした感じがしなかったセリーヌを世の女性憧れのブランドにしたフィービーは当然 セリーヌの売上げを押し上げた。

でも やっぱりああいうクリエイションができるだけに さらに売上を伸ばすための努力を積極的にするって感じの人ではなかったようです。

 

いいもの作って確実にファンを増やして売上も伸ばしてはいくけど オンラインショップにも力を入れたり お金はたんまりあるけどセンスはない人々に迎合するような製品をこしらえてまでも売上増を望んだりはしなかった。

 

でも 経営側は違う。

フィービーのおかげで相当に儲かるブランドになったのに 彼らはもっと儲けたいと考える。

ま それはLVMHに限ったことではないようですが。

 

バレンシアガのロゴから PARIS が除かれ セリーヌはアクサン・テギュが剥奪され CÉLINE から CELINE に。

ディオール・オムもブランド名はレディースと同じ Dior に。

 

フランスのブランドってことを前面に出さない方が オシャレとは縁遠い人生であったものの急激にリッチに それもケタ違いにリッチになっちゃった世界中を我が物顔で闊歩する所謂 成金 というカテゴリーには売りやすいようです。

 

そのブランドの成り立ちも歴史も世界観も知ったこっちゃない。

でも うなる程お金はあるから何でも買える。

 

そういう人にはそれこそ CÉLINE のアクサン・テギュなんてない方が分かりやすいってことでしょうし ディオール・オムの オム とは何ぞや? なのでしょう。

ましてや100年を超える歴史を有するバレンシアガが元々はスペインで創業するもスペイン内乱を機にパリに拠点を移したこと。

そして創業者の引退後 ほぼ死に体 だったブランドをニコラ・ゲスキエールが再興した なんてことはどーでもいい。

 

だからオール高価なもので武装しても なんかチグハグ感が否めなかったりするわけです。(エラッソーなこと言ってますが お許しを)

 

が こんな醜い貧乏人がやっかむのとは違い ハイブランドはそんな新興リッチに優しい手を差し伸べるわけです。

バッグ類以外でもでっかくブランド名が入ってるものや 露骨にどのブランドかが分かるアイテムが増えましたよね。

たとえイマイチな着こなしでも俺は高級品を着てるんだぞ~って周りにアピールできるから彼らもお気に入り。

 

ま 正直 自分自身もブランド名が書いてあるものってゼロではない。

でも でっかくじゃないしご容赦を。

 

何が言いたいかっていうと ラグジュアリー・コングロマリットの果てしない欲望には脱帽だなぁ と。

でも 自分自身は経済的な成功だけじゃなく美学をもってやっていきたいと ついに外壁のロゴからアクサン・テギュが剥奪された GINZA SIX のセリーヌを見て思ったのでした。

 

今夜のおまけ画像

ラ・グランジュ・デ・ペールの1996年 ヴァン・ドゥ・ペイ・レロー赤

1998年ヴィンテージまではとんでもないワインを造っていたと思うのですが その後は金儲けに走ったのか?

質は露骨に落ちて以前より流通量は増えました。

衝撃的な南仏ワインだった頃のグランジュ・デ・ペール。

熟成してさらに素晴らしい。

でも高いです...(こればっかりはすいません)

La Nuit Blanche

2008年6月 東京・銀座にオープンした小さなワインバーです。 新世代のカリスマ生産者のレアワインから大御所の古酒まで ワインに詳しくない方も マニアックなワイン好きな方も満足いただけるよう 自然派だからとか 自然派じゃないとか そんなことは度外視し 旨いワインかどうか 飲んで幸せになれるかどうかということを大切にしています。 旬の食材を活かしたイタリア料理(アラカル)とともに深夜まで楽しめます。

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