本当に感動しました。
1997年春に初めて訪れたフランス。
4月の頭から7月過ぎまで 途中1ヵ月程ブルゴーニュのドメーヌで住み込みで働いた時以外は住所不定無職。
野宿とヒッチハイクでワイン産地を周り生産者を訪問する‥
それくらいしかできませんでした。
ぶっちゃけそれ以外やることないんで1日に何軒もの生産者の元に行きました。
その後は運転免許も手にしてレンタカーで回れるようになりましたし おそらく延べ200以上の生産者を訪問しているのではないでしょうか。
それこそボルドーも昔は行きましたし 地中海沿いならルションにラングドック プロヴァンスにコルシカ島。
南西部もイルレギにジュランソン ガィヤック カオール フロントン。
ロワール河流域もブルゴーニュもコート・デュ・ローヌもジュラもサヴォワもアルザスもシャンパーニュもいろいろなところに行きいろいろな畑も見ました。
なので正直 ブルゴーニュの生産者って本当に恵まれていると思う。
もっと過酷な労働が強いられるワイン産地はいくつもある。
ブルゴーニュ以上に厳しい斜面でブドウ栽培しているわけです。
しかも造られたワインは他のどこよりも高値で売れる。
恵まれ過ぎです。
でもしょうがない。
あの地でしか醸せない風味がある。
あの土壌でしか造れないのだから。
それはともかくとして 生産者を訪問すると時折 これは本当に大変だなぁと思う畑に出会います。
そんな中でもとんでもない畑を昨年 訪れました。
アヌシーから車で1時間半程のその静かで小さな街はワイン産地としては全く認識されていない。
フランスからイタリア・ピエモンテへ。
またはその逆でピエモンテからフランスに車で移動する際に通過するルート。
何度もその道を通ていたのでハバネロは名前こそ知っていましたが 広いフランスのど田舎。
フランス人でも知らない人が多いんじゃないかな?
実際 パリで会った際にこの感動を伝えたアレクサンドルは
それどこ?
と言ってましたから。
もう年が変わったんで一昨年ということになりますがルドヴィックがこのワインを薦めてくれたんです。
えっ? あそこでワインなんて造ってるの?
当然そうなったんですが 彼のおすすめなんで飲んでみた。
そうしたら実にいいワインで。
大至急 訪問したいと思うもその時は既に旅程を変える余地がなく断念。
ピエモンテ行く前に知っていたらセストリエール行かずに寄っていたよ。
なので昨年リヴェンジ訪問。
元々はロワール出身でそっちでワインのディプロマも取った独りで栽培も醸造もこなすヴィエネがこの地に来たのは奥さんが標高2.000メートルくらいのところで羊と山羊でチーズ作りを始めたからだそう。
もちろん日本人には会ったことはあるけど ここに来た日本人は初めて。
どうやってここ知ったんだ?
去年(2024年) ルドヴィックに薦められて飲んで感激したんです。
あぁ ルドヴィックか。
ワイナリーからヴィエネの運転する車で畑まで。
これですよ。
画像じゃ全ては伝わらないと思いますが。
ちょっとだけアップ。
森林限界で岩肌剥き出しの断崖はすぐ先。
畑はこぶし以上のサイズの石ころだらけで機械は一切使えない。
全部人力。
ヴィエネ曰く
素晴らしい畑だけど一つだけ問題がある。
人がすぐ辞めちゃう。
そりゃそうだ。
誰だって逃げ出すよ。
でも自分はここで仕事ができて幸せだと言うヴィエネの情熱は凄い。
かつてはサヴォワのワイン生産の中心地で2.000ヘクタールもの葡萄畑がこの渓谷に広がっていたそうですが フィロキセラによる深刻な被害。
産業の多様化により葡萄畑は打ち捨てられ荒野に。
このエリアを象徴するペルサン(黒葡萄)とブラン・ドゥ・モーリエンヌ(白葡萄)が僅かに保存されていたことを知ったサヴォワの巨匠 ミシェル・グリザールがこれらを再びこの地に植えるプロジェクトを立ち上げたことがきっかけのようですが それに携わるのはヴィエネただ一人。
スペシャル・キュヴェ用の葡萄が植わる区画までは車では入れない。
ここから30分弱歩いて山を登るんだけど行ってみる?
と訊かれ行ってみたかったんですが…
旅行は常に勝負服なハバネロ夫婦。
すいません。
なめてました。
服や靴が汚れるのがイヤで断念。
あらためて汚れてもいい恰好で出直します!
それでもヴィエネは優しい。
しかも逞しい。
収穫の時は収穫したブドウを一人背負って降りてくるそうです。
ついでに ピエール・ガレ アルプス葡萄品種センターのアルプス品種の保存にも協力していて自前のワインにする以外の例えばプティット・アルヴィーヌなど様々な品種が区画を小分けして植えてある。
石ころだらけの畑に。
それもヴィエネが一人で世話をする…
この人 ホント凄いわ。
ワイナリーに戻って試飲。
といっても2024年の白と2023年の赤 プラス2022年のスペシャル・キュヴェの3種。
ホント生産量少ないんです。
だってこんだけですよ。
でもカーヴはとても衛生的で温度管理もされている。
だから本物のナチュラルワイン つまりバクテリア汚染されていないピュアなナチュラルワインが出来上がるのです。
ヴィエネありがとうね。
あなたの姿に本当に感動しました。
今年こそラ・シャペル・ドゥ・ボンヌ・ヌーヴェルまで登るよ。
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