今でも店を開けるということ。

昨夜 これから一人でワインだけ軽く飲みに行きたいとの電話が。

まぁ 全然 空いてますからねぇ。

ノー3密厳守!

というか元々の人気がたいしてないだけ。

 

" 大丈夫ですよ。お名前だけ伺えますか? "

 

声質と名前から思い当たる人を想像するも その時点ではこの人だ!っていうのはなかった。

席に着いて

" ハバさん 覚えてますか? "

と言われてすぐ思い出した。

 

どれくらいぶり?

8年とか9年?

それくらい久しぶり。

 

なんか大人の男になったなぁ~って思ったし ホント嬉しかった。

 

ある時を境によく来てもらっていたのにパタッと来てもらえなくなった。

何か気に障る 気分を害することをしてしまったのでは‥と ことあるごとに思いました。

 

ただ もしそうだとしても店を続けていればきっとまた会える。

そうも思っていました。

 

実際 ニュイ・ブランシュを出す前に知り合ったけど連絡先を知らなくてそれっきりだったお客様にニュイ・ブランシュで再会して また来てもらってるって例も結構あります。

そういうのが飲食店やってて感じる幸せの一つでもあります。

 

さて 世は出す前からみんな知ってたし 何も変わらない なんて言われちゃうわであまり緊急感はないけど緊急事態宣言下。

まだ営業してるの?

そう思われる方もいるとは思います。

 

正直 3月中にでも海外のロックダウンのようなことをして欲しかった。

そうすれば短期間で新型コロナも抑え込めると。

補償やなんだでお金がかかっても 結局それが一番の経済対策だと。

 

でもロックダウンなんて言葉を都知事は使っておきながら日本の法律では実際にはそんなことはできなかった。

それどころか1月から全く変わらぬ悠長な政府の対応。

自粛してって言われても補償なき休業を唯々諾々と受け入れる程 物わかりのいい 良い子 じゃない。

補償がないならできる限り 最大限の配慮をして営業するのみ。

協力金?

50万円じゃ家賃にも程遠い...

毎月もらえるわけじゃないでしょ?

他が休もうがそれは関係ない。

やみくもに同調すりゃいいってもんじゃない。

 

3月になっても満席にすることに血眼になっていた オツム大丈夫? な某人気店と違い 人気ないから混み合わないし換気もいい。

(実際 1日だいたい2~3組)

シェフも自分も電車は使わない。

リスクは少ない方だと。

 

子供のいない身でこう言うのはおかしいかもしれないけど ニュイ・ブランシュは自分にとって子供のようなもの。

可愛いし何よりも大切。

 

でもいつか独り立ちする子供と違って いつまでたっても誰かが面倒を見てやらなければ存在できないのです。

それは自分。

 

もちろん ただ売上を出せばいいということじゃない。

来た人が飲んで食べた以上の幸福を感じられなければ意味がないし 世の中の迷惑となってはいけない。

 

それでも こんな状況でも できる限り営業したい。

 

とっても長い闘いになると思っているから。

その時が来たら数ヵ月の休業では済まないのではと。

 

だからその試練の前に 少しでもアドバンテージを持たせてやりたい。

長い闘いを生き抜くための体力を少しでもニュイ・ブランシュに持たせたい。

 

今は会えない人にも店を続けていればきっとまた会えるのはずだから。

 

世はこんな状況です。

来て下さい とは誰にも言ってません。

実際 先週土曜には初めてゼロを経験しました。

でも こういう思いでやってます。

誰も来ないかもしれないけど それで簡単に閉めたらニュイ・ブランシュのことを思ってくれるお客様の心が無になってしまう。

 

厳しい状況にあるのは飲食業だけじゃないことも当然 理解してますし 医療に従事する方々にこれ以上の負担をかけてはいけないとも思っていま す。

 

でも それらを全部 理解しても 感染者数の増加を見ながらですがもう少し営業したい。

そんな店をどうぞお許しください。

 

(営業時間は深夜1時頃までに短縮しようと思います。)

 

 

今夜の思いを込めた画像

ジェローム・プレヴォの2016年 ラ・クロズリー レ・ベギーヌ

気候変動によりより困難を極めるブドウ栽培。

たった一人で自らの畑でそれらに立ち向かうジェロームからはいつも勇気をもらえます。

La Nuit Blanche

2008年6月 東京・銀座にオープンした小さなワインバーです。 新世代のカリスマ生産者のレアワインから大御所の古酒まで ワインに詳しくない方も マニアックなワイン好きな方も満足いただけるよう 自然派だからとか 自然派じゃないとか そんなことは度外視し 旨いワインかどうか 飲んで幸せになれるかどうかということを大切にしています。 旬の食材を活かしたイタリア料理(アラカル)とともに深夜まで楽しめます。

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