本当に美味しいワインを味わって欲しいと思っています。

ワインといえば世の中すっかりナチュラルワイン。

日本ワインも含めてナチュラルワインを支持する人が特に若い世代では大多数。

一昔前はナチュラルワインなら何でも好き💛 って人も多かったけど 昨今は致命的な醸造的欠陥由来の強い風味をこよなく愛する人も増えたなと感じます。

 

そんな時代でもいまだに新樽由来の風味が好きな人もいる。

 

どーなってんだ? って感じです。

何も手を加えない 自然な味わい を好む人が大勢いるけど 極めて人工的な風味 を好む人もいる。

 

ま 好みだから仕方ないっちゃ仕方ないんですが なんというか もったいないなぁ という思いがある。

 

できる限り人的介入をせずにきちんとしたワインをこしらえることはとても難しい。

そんな中 極一部の生産者が真のナチュラルワインを醸している。

それは称賛されるべきだけど そうではないナチュラルワインまでもがもてはやされているいる無念さ。

 

かといって過度な介入どころか 最初から計算ずくで科学と化学で作られた人工的ワインもあまりに残念。

 

どちらも葡萄由来の風味でもなく 葡萄が育った土壌や気候由来の個性がないワイン。

欠陥臭も新樽の香りも。

 

ワインを心地良く風味豊かにするのに木樽は相応しい容器。

だから木樽を巧く取り入れて素晴らしいワインを醸す生産者がいる。

だけど 所詮は容器。

容器風味のワインって 缶の風味しかしない缶ビールと同じでしょ。

もちろん そこまでの缶風味のビールはないけど。

適切に使うのはいいけど 樽に支配されたワインは不自然な味わい。

 

昔からずっとそうなんですけど 自分にとってはナチュラルワインとかそうじゃないワインなんて分け方はない。

美味しいか美味しくないか。

それだけ。

 

思わず吐き出したくなるような出来損ないナチュラルワインを幾度も飲みナチュラルワインが嫌いという人もいる。

逆にあまりの人工的風味にワインの面白さを感じられず そういうワインが嫌という人もいる。

 

だからって対立軸で二極化するのもおかしいと思う。

ナチュラルワインが嫌いな人でも思わずお代わりしたくなるナチュラルワインがある。

非ナチュラルワインを嫌う人でも美味しいと素直に思える非ナチュラルワインがある。

ま 工業製品的非ナチュラルワインは論外ですが。

 

ナチュラルだろうが非ナチュラルだろうが本当に美味しいワインは人を幸せにし また人生を豊かにしてくれる。

だからこそニュイ・ブランシュはそういうワインを提供したいと思ってやっています。

 

グレシャムの法則のようになってはいけないと思う。

ナチュラルであるか否かにかかわらず秀逸なワインを称賛し劣悪なワインに No! と言わなければいけないと思っています。

 

良貨が悪貨を駆逐するために。

だってみなさんにもっといいワインを飲んで欲しいから。

 

日々ワインにまみれる生活を約30年しています。

日本人のアベレージ以上には飲めるというのもありますが いろいろなワインを知りたくて 経験したくて飲みまくってきましたし今でもそういう日々が続いている。

だからこそ理解できたことがある。

真に良いワインを知っているからこそ他の人にもそれを伝えたいし伝える義務があると思っています。

 

せっかくワインを飲むなら本当に美味しいワインを飲んで欲しいのです。

 

 

今夜のおまけ画像

ブノワ・ライエの2018年 グラン・クリュ ミレジメ エクストラ・ブリュット

この人って畑も馬やポニー(だった気がするんですが)で耕作するなどナチュラルな生産者ですが 原理主義的ではない。

良きバランス感覚で畑やカーヴで葡萄やワインと向き合うのでナチュラルな畑や醸造でなければ表現できない綺麗な味わいにエネルギーを秘めている。

欠陥臭がないからアンチ・ナチュラルワインな人も心の底から美味しさを満喫できるナチュラルなシャンパーニュです。

 

こういう生産者が増えてくれればいいんですけどね。

La Nuit Blanche

2008年6月 東京・銀座にオープンした小さなワインバーです。 新世代のカリスマ生産者のレアワインから大御所の古酒まで ワインに詳しくない方も マニアックなワイン好きな方も満足いただけるよう 自然派だからとか 自然派じゃないとか そんなことは度外視し 旨いワインかどうか 飲んで幸せになれるかどうかということを大切にしています。 旬の食材を活かしたイタリア料理(アラカル)とともに深夜まで楽しめます。

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